ドイツのバイエル社が、一般名アセチルサリチル酸 (Acetylsalicylic acid) に対し付けた名前である。日本薬局方では、アスピリンが正式名称になっている。
サリチル酸を、無水酢酸によりアセチル化するとアスピリンが得られる。
歴史
1897年ドイツの化学会社バイエル社のフェリックス・ホフマンによりサリチル酸をアセチル化することで副作用の少ないアセチルサリチル酸が合成された。アスピリンは世界で初めて合成された医薬品である。1899年3月6日にバイエル社によってアスピリンは商標登録された。しかし、第一次世界大戦のドイツの敗戦で連合国(大日本帝国を含む)に商標は取り上げられた。
第一次世界大戦後のアメリカでは禁酒法や大恐慌などによる社会的ストレスからアスピリンを服用する人々が激増しアスピリンエイジという言葉が生まれたほどであった。特にアメリカでは疾患を持っていなくても日常的にアスピリンを飲む人が多く、現在でもアメリカはアスピリンの大量消費国であり年間に16000トン、200億錠が消費されている。但し、アスピリンは過剰摂取すると胃潰瘍などの諸状を引き起こす。
合成法
アスピリンは以下の手順で合成される。
フェノールを高温と高圧の下で二酸化炭素と水酸化ナトリウムと反応させて、サリチル酸の二ナトリウム塩を合成する。このカルボキシ化はコルベ・シュミット反応 (Kolbe-Schmitt reaction) と呼ばれ、フェノールの互変異性体であるエノラートアニオンの、二酸化炭素に対する求核付加反応である。続いて二ナトリウム塩を希硫酸で中和し、サリチル酸を遊離させる。
このサリチル酸に無水酢酸を作用させてアセチル化し、アスピリンを得る。
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